スペシャリスト
老人看護専門看護師
当院は、超高齢社会において、認知症があったとしても、その人が望む適切な治療を受けて回復していけるように、地域包括ケアシステムの一部としての急性期病院の役割を果たしています。老人看護専門看護師は、活動を通して、高齢患者本人についての関係者の理解を深めるのと同時に、患者の最善のために、院内、院外の人や資源を適時適切に丁寧につなぐことの大切さを伝えています。高齢者看護は多職種による連携が不可欠であるため、入院前から入院中、退院後について外来、病棟、手術室など部門を越え、協働しています。
感染症看護専門看護師
感染症看護専門看護師は、疫学、微生物学、感染症学などの専門的知識をベースに、院内に限らず地域における個人や集団の感染予防と発生時の適切な対策に従事する役割を担っております。また、多職種と協働しながら感染症に罹患し複雑な問題を抱える患者さんに対して、個別性を尊重した効果的で質の高い看護を提供することに努めています。
がん看護専門看護師
がん患者さんが体験している苦しみに耳を傾け、その思い・考え・価値観を尊重し、望ま れている生活を過ごすことができるよう意思決定を支えています。そのためには、身体・ 心理・社会・スピリチュアルな面からアプローチし、全人的苦痛を緩和することが大切で す。全人的苦痛が和らぎQOLが向上するよう多職種と連携し、調整(倫理調整)をはかり 支援しています。また、がん看護に関わる様々な相談を受け、がん系認定看護師と協働してがん看護教育を行うなど、院内を横断的に活動しています。
感染管理認定看護師
感染管理認定看護師は、院長直轄の組織である感染制御部に所属し、病院内の感染防止対策と職業感染防止対策を中心に組織横断的な活動をしています。活動内容としては、①院内肺炎などの医療に関連する感染データを収集・分析し、治療や医療感染防止に役立てるためのサーベイランスの実践、②感染防止技術の導入や院内教育、③最新のガイドラインに基づいた病院感染対策マニュアルの作成や改定などがあります。その活動は、院内の活動だけでなく地域連携施設への指導・教育も担っています。
皮膚・排泄ケア認定看護師
皮膚・排泄ケアとは、創傷ケア・ストーマケア・失禁ケアの分野を指し、これらの分野に共通するスキンケアを中心とした看護について、ケアの実践、患者・家族やスタッフへの支援、教育、コンサルテーション等を行っています。褥瘡対策チームや排尿ケアチームの一員としての役割を担い、またストーマ外来・褥瘡専門外来を担当するなど、院内での活動は横断的で多岐にわたります。
がん性疼痛看護認定看護師
痛みは身体的な痛みとしてだけでなく、精神面、社会面、スピリチュアルな面へ影響を及ぼします。がん性疼痛看護認定看護師として、痛みの身体的アセスメントを行うと共に、精神面や社会面、スピリチュアルな面で苦痛がないか、患者さんのお話を伺い痛みのコントロールを行っていきます。また、緩和ケアチームと共に活動し、早期からの緩和ケアが実践できるように(ご家族のケアや看護師教育を含む)活動しています。
乳がん看護認定看護師
乳がんと診断された方の心理的サポートや、治療選択をするための意思決定支援、治療の副作用対策、さらに、治療をしながら日常生活を送っていくためにはどうしたら良いか、家族へどのように伝えたらよいかなどの相談を行っています。腋窩リンパ節を郭清した患者さんを対象に術後のリンパ浮腫予防指導や、リンパ浮腫を発症された方のドレナージや生活指導、弾性着衣の選択を行っています。また、院内スタッフへの研修を行い、充実したケアが実践できるように働きかけています。
がん化学療法看護認定看護師
がん化学療法は抗がん剤等のがん化学療法薬により、がん細胞の死滅や減少を目指す薬物療法です。治療には様々な副作用が伴うため、これに対するケアが重要となります。このため医師、薬剤師等の多職種で連携し、その方に合ったケアを実践しています。また、治療を納得して受けていただけるよう意思決定場面での治療選択を支援しています。さらに安全・確実・安楽ながん化学療法を行うためにスタッフへの教育や指導も行っています。
緩和ケア認定看護師
緩和ケアは、がんと診断されたときから始めます。身体や心の辛さが大きいと体力を消耗し、がんの治療を続けることが難しくなります。そのため、がんと診断されたときから「辛さを和らげる=緩和ケア」を始めることが大切です。早い段階から緩和ケアを受けた場合QOLが改善され、予後にも良い影響があると報告があります。当院では緩和ケアチームが患者さん・ご家族の気がかりと向き合い、一緒に解決することを目標にしています。
糖尿病看護認定看護師
糖尿病の治療は患者さんのライフスタイルや背景、考え方が病状に反映されるため、生活習慣に主眼が置かれます。患者さんやご家族と個別相談を行い、心理的なストレスの緩和を図りながら個別のライフスタイルに合わせた生活調整の工夫について専門的知識や技術を提供していきます。また、糖尿病の予防、合併症を持つ入院患者さんへも適切なケアが行われるよう集団向け教室の運営やコンサルテーション、院内や地域の看護スタッフへの研修などを行い、糖尿病ケアのシステムが確立されるよう活動しています。
摂食・嚥下障害看護認定看護師
摂食・嚥下障害とは、食べること全般において何らかの障害があることをいいます。 この障害は、窒息、誤嚥性肺炎、脱水、低栄養など生命を脅かす問題となり、さらに食べる楽しみが奪われるといった生活の質に影響する問題にもなります。 対象となる患者さんの摂食・嚥下機能を評価し、適切な摂食・嚥下訓練を選択して実施しています。また、NST(栄養サポートチーム)の委員として他職種と連携し、チームアプローチを実践しています。
集中ケア/クリティカルケア認定看護師
集中ケアとは、心臓外科手術などの大きな手術後や外傷などの重傷かつ集中治療を必要とする患者さん、ご家族への看護をいいます。医学的知識に裏付けされたフィジカルアセスメント技術を用いて病態の変化を予測し、重篤化を回避するケアを行います。また、早期からのリハビリテーションを行い1日も早く回復できるよう集中治療部、救命救急センターなどの医師や、他職種と協力して、生活者の視点からケアをすすめています。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師
脳卒中とは、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血の総称です。脳卒中リハビリテーション看護とは、脳卒中患者さんに対し、発症から自宅に戻ってからの再発予防まで全人的サポートをする為に生れました。役割として超急性期の集中ケアと早期リハビリテーションによる残存機能の維持と促進です。今後患者さんは、人生をかけ疾患と向き合う事になります。当院は、院内だけではなく県内各施設とも連携をはかりライフサイクルサポートに努めています。
救急看護認定看護師
救急搬送されてきた患者さんに対して、医師と連携を取りながら病態に応じて適切なケアを実施し、外来を訪れた患者さんへはトリアージを行っています。また危機的状況にある患者さんやそのご家族へ早期介入しながら支援も行います。災害発生時には、急性期の医療ニーズを考えながら災害現場での活動や病院への受け入れ体制を整え、看護ケアを提供できるように努めています。このように救急看護が必要とされる場において、連携や調整の役割を担いながらニーズに応じた実践と支援ができるように日々努めています。
慢性心不全看護認定看護師
患者さんが心臓疾患を抱えながらも、平穏な日常生活を取り戻せるように退院に向けた生活の方法を一緒に考えていきます。また、入退院を繰り返さないためにも、生活上の注意事項やセルフケアの大切さをお伝えしております。患者さんの「生きがい」や「目標」を入院生活の糧とし、1日も早く社会復帰出来る様に、多職種でコミュニケーションを取りながらサポートさせて頂くことを努力致します。
手術看護認定看護師
手術看護認定看護師は、周術期の患者・家族に対し、手術侵襲の低減と回復促進を目指し、手術決定から回復期の周術期を視野に入れ、看護実践を提供します。また、周術期にある患者・家族の看護において、看護実践を通して他の看護職者に対して指導を行い、相談対応・支援を実践します。日々進歩する医療の中で、周術期看護の視点を大切に幅広い知識を持ち、外来や病棟と連携し、手術を受ける患者・家族に対して安全で安楽・安心して手術を受けることができるように関わっていきます。
がん放射線療法看護認定看護師
放射線療法は、臓器の機能温存やQOLの維持・向上ができるなどの特徴があり、がん治療における役割は年々大きくなっています。効果的で安全に放射線療法を完遂するためには、有害事象の予防や日常生活の工夫など継続的な支援が必要です。患者さんが安心して治療を継続できるよう、放射線療法に関する知識や技術を用いて看護ケアを行っています。また、質の高い医療と安心できる治療環境の提供につなげられるよう、他職種・他部門と協働して活動しています。
認知症看護認定看護師
高齢社会が進む中、急性期医療を提供する当院も、高齢者認知症の方へのケアが求められています。入院により生活環境の変化や痛みを伴う治療は、認知症高齢患者の不安や混乱を招き、せん妄や行動心理症状を発症する事が多いです。また、せん妄や行動心理症状に対応するスタッフも、対応の困惑や疲弊にもつながると考えます。認知症看護認定看護師として、認知症の方が安心して療養生活を過ごせるよう医療チームと協力して環境調整を行う事、看護師の認知症ケアの質の向上を目指し活動を行います。
精神科認定看護師
一般社団法人日本精神科看護協会の定める認定看護師です。 主な役割は質の高い精神科看護を実践すること、精神科看護に関する相談に応じること、精神科看護に関する指導を行うこと、精神科看護に関する知識の発展に貢献することです。 当院には精神科の専門病床がありませんが、精神科リエゾンチームの一員として、精神科医、公認心理師、精神保健福祉士と共に、救命救急センターや身体の病気で入院中の患者さんの不眠、せん妄、抑うつなどの精神症状に対応し、治療が円滑に進むよう支援を行っています。