教育制度
当院では新人看護師ができるだけ早くに職場に慣れるよう様々な取り組みを行い、研修を含めた支援体制を整えています。
◆入職時オリエンテーション
新人看護師が安心して配属部署で勤務を始めることができるよう、入職式を終えたのちに約2週間の看護部の入職時オリエンテーションが始まります。少しずつ現場に慣れることができるよう、研修の場と臨床を行き来しながら学びを深めていきます。
従来のオリエンテーションと異なり、早期に安心して配属部署に慣れるように研修プログラムを計画しています。約2週間、午前中は集合研修で講義や演習を受け、午後は配属部署でのオリエンテーションや業務を行います。
内容:看護職としての社会人基礎力、感染管理、接遇、医療安全、褥創予防、フィジカルアセスメント、輸液管理、血糖測定、看護記録 等
◆各部署における新人看護師支援の実際
各部署における新人看護師の支援体制は以下のようになります。
当院では、厚生労働者から出されている新人看護師研修制度のガイドラインに準じて、支援体制を整備し、「部署全体で育てる」ことを基本方針としております。
実地指導者が主に新人看護師の指導を行いますが、悩みを相談しやすい環境を作る為にも、身近な相談者として新人看護師支援者も新人看護師のサポートを行っています。
新人看護師および中途採用等で当院へ就職された方には、ピンクの職員証のストラップをつけていただいています。当院に就職され、慣れないことで戸惑うことがないよう、他の職員に分かるようにしています。病院全体で新しい仲間をサポートします。
◆現任教育プログラム
日本医科大学4病院看護部には、共通で運用している「ジェネラリストのためのキャリアラダー」があり、各レベルに応じた現任教育プログラムを実施しています。新人看護師から各役割を担うための内容や専門領域に関する内容となっております。
◆新人看護師育成コース
オリエンテーション期間が終了すると、年間を通じた新人研修が始まります。「モジュール型受け持ち看護方式」における“代行看護師”として、患者さまへのケアが提供できるようトレーニングをしていきます。基本的な看護技術や自己のストレス管理について、また新人看護師に必要な管理・看護倫理についての研修を行います。さらに、実際に複数の患者を受け持ちながら看護過程の展開に関する演習を行います。コースの後半では、机上での多重課題シミュレーション、夜勤を想定した患者急変時の対応についてのシミュレーション研修を行います。
新人看護師育成コース最終までに、所属部署の責任者よりラダー認定審査を受け、コースの最終日にはジェネラリストラダー「レベルⅠ」が認定されます。
◆受け持ち看護師育成コース
モジュール型受け持ち看護方式における受け持ち看護師の役割と責任を理解し、その役割行動がとれることを目的として研修を行っています。受け持ち看護師の役割、看護における倫理問題、医療安全等についての研修を行います。また自部署で上司や先輩の支援を受けながら、受け持ち看護師の役割について演習を通して学び、その成果をまとめます。その際、自己のケアの振り返りをナラティブに起こして学びを深める作業も行います。
このコースを修了し、審査を受けたうえでジェネラリストラダー「レベルⅡ」の認定を受けることができます。一人前の看護師として、受け持ち看護師として患者さまのケアにあたります
◆リーダー看護師ベーシックコース
初めてリーダー看護師となる人を対象にしたコースです。リーダーシップやコーチング、看護倫理等、リーダーに必要な内容の講義と演習を行います。また実際に部署で3日間のリーダー演習を行います。
このコースを修了することは、ジェネラリストラダー レベルⅢの認定審査を受ける要件のひとつでもあります。
◆新人看護師支援者コース
新人看護師に1名ずつ身近な相談者として3年~4年目程度の看護師が新人看護師支援者としての役割を担います。その役割を果たすために必要な研修を行います。
新人看護師の理解、教育的関わりについての講義での学び、新人看護師を支援するうえでそれぞれが文献を参考にし、その学びを共有して学びを深めていきます。また実際に経験している新人看護師の関わりから自己の振り返りを行います。指導を通して看護師として更に成長をしていきます。
◆リーダー看護師アドバンストコース
受講生それぞれが、自己のキャリアについて考える機会、そして問題解決能力を育成することを目的に学びます。講義と実際に各部署での問題解決に取り組む演習を行い、それぞれの成果を発表する機会を設けています。この研修はジェネラリストラダーレベル Ⅳの認定要件でもあります。
◆臨床実践能力育成研修【リーダー看護師短期配置研修】
ジェネラリストとしてのステップアップ、自己のリフレクション、継続看護の場の学びをするなどの目的で3か月程度違う部署で配置研修を行います。
例)外科系病棟 → ICUへ
◆e-ラーニングシステムの活用
当院では「ナーシングスキル日本版」を各現任教育プログラムにおける研修前の事前課題として活用しています。日々の業務の中でも、各看護技術の手順の確認やテストをすることで知識の確認をすることもできます。インターネットの使える環境であればどこからでもアクセスでき、自宅のPCやスマートフォン等から利用できるため、通勤や帰宅時の時間も有効に使えるようになったと好評です。アクセス数も年々増えています。現在は、動画講義の閲覧もできるようになりました。
看護師だけでなく看護助手も閲覧できるようになり、看護部全体で活用しています。
また病院として医療安全を中心とした新たなe-ラーニングシステム「SAKURAシステム」の導入が始まりました。更に便利に学習する環境が整ってきました。
◆院内認定コース (ラダーレベルⅢ相当以上)
現在、「呼吸ケアコース」「褥瘡ケアコース」の計2コースの院内認定コースの運営を行っています。各領域の認定看護師が中心となり、コースの運営を行なっております。講義及び演習、またケースのまとめを行っていきます。
◆訪問看護ステーション研修
近隣の訪問看護ステーションのご協力をいただき、2日間の訪問看護ステーションでの研修を行っています。在宅で過ごされる利用者さまやご家族の様子を知ることで、退院時に必要なケアや指導・継続するべき情報などについて考え、退院および在宅を見据えたケアに活かしていきます。
特定行為研修
当院では以下の特定行為研修の指定研修機関として研修を行っています。
当院で実施している特定行為研修 | |
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栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 |
・中心静脈カテーテルの抜去 |
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 |
・インスリン投与量の調整 |
動脈血液ガス分析関連 |
・直接動脈穿刺法による採血 |
術中麻酔管理領域(パッケージ研修) |
・経口用気管チューブまたは経鼻用気管チューブの位置の調整 ・侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・人工呼吸器からの離脱 ・直接動脈穿刺法による採血 ・橈骨動脈ラインの確保 ・脱水症状に対する輸液による補正 ・硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与および投与量の調整 ・持続点滴中の糖質輸液または電解質輸液の投与量の調整 |
特定行為研修共通科目E-learning の受講前履修制度
2023年度より、3年目以上の看護師全員に「特定行為研修共通科目※」E-learning の学習機会を提供しています。
E-learning で学びたい共通科目の学習を、個人のペースで進めることができます。将来特定行為研修に参加する際に、当院で定めた共通科目履修免除規定に該当する場合には、共通科目のE-learningが履修免除となります。
※特定行為研修共通科目:臨床病態生理学・臨床推論・フィジカルアセスメント・臨床薬理学・疾病臨床病態概論・医療安全学/特定行為実践
◆入職時オリエンテーション
入職の際は必ず看護部長はじめ副看護部長等によるオリエンテーションを1日かけて行います。
【内容】病院および看護部の概要・服務規程・医療安全・感染管理・教育体制 等
◆入職後の支援
まずは新しい職場環境に慣れることを優先いたします。新たな人間関係や病院のルール等に慣れるようサポートします。
研修参加については、個別のニーズに合わせ必要な研修プログラムや学習会への参加を進めていきます。
患者さまに心のこもった手厚い看護を提供するためには、看護師の十分な人員確保も必要です。 免許を持ちながら現場から離れてしまった看護師が再び現場に戻ることができるよう、私たちはこれまで培ってきた人材育成の経験を、現場復帰への希望と不安を持つ潜在看護師の方々の支援に役立てたいと考えております。
潜在看護師復帰支援プログラム | |
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目的 | 一定期間、臨床現場を離れていた看護師に対して、現在の臨床において必要とされる知識と技術を指導し職場復帰を支援する。 |
対象 | 臨床現場への復帰を希望する看護師免許取得者 |
場所 | 日本医科大学武蔵小杉病院 |
参加費 | 無料 |
日時 | 希望者と相談の上、随時行っております。 |
内容 |
医療安全(安全確認・KYT・転倒転落防止等) 感染防止(標準予防策) 輸液管理(クローズドシステム・輸液ポンプ取扱い) 呼吸器管理・スキンケア・オーダリングシステム クリティカルパスの運用など… |
まず、事前にお問い合わせいただき担当者と面接させていただきます。その際に、研修日程や期間・研修内容等についてご要望等を確認させていただきます。
◆申し込み方法
下記電話番号にお問い合わせください。
看護部事務室 担当:小林
044-733-5181(代表)8:00~16:30