新人看護師の皆さんが職場に慣れ、看護師に必要な基本的な知識・技術・態度を習得できるよう支援・指導します。
❖入職後
【入職時オリエンテーション】
看護部の教育委員、医療安全委員、感染対策委員、専門看護師・認定看護師などによる講義を通して、基本的な看護技術や看護記録、医療安全、感染防止などを学習します。 e-ラーニングでの学習を積極的に実施していましたが、2024年度よりコロナ前と同様に集合研修に戻しています。
<2024年度>
【新人看護師育成コース】
入職時オリエンテーションとローテーション研修が終了したら配属部署でのオリエンテーションが始まります。その一方、月に1回程度の研修が計画されています。本研修で学んだことを、自部署での看護実践に繋げていけることを目標にしています。
<2024年度 新人看護師育成コース 年間スケジュール>
当院自慢のフィジカルイグザミネーションの研修場面
血管確保の練習風景
【配属病棟での新人支援体制】
厚生労働省から出された新人看護師研修制度のガイドラインに沿った支援体制をとっています。(詳細は下記を参照)
新人看護師は看護職員全員で育成するのを基本方針としています。各部署には、1年を通して新人看護師の支援及び指導を担当するプリセプター・メンターがいます。新人看護師にとって一番近い存在となりよき相談役になります。特に入職後3ヶ月間は新人が勤務する日は支援者が必ず勤務しており、新人が担当する患者さまを一緒に担当し、一つ一つのケアや処置等をティーチングで指導します。4か月以降は新人個々の成長に合わせて指導・支援を行います。
*新人看護師はピンクのストラップを1年間使用します。これは他の医療チームメンバーにも認識されています。
配属病棟での一場面
【ステップアップ研修】
新人看護師育成コース
オリエンテーション期間が終了すると配属病棟でのOJTが始まります。また、1年を通して集合研修も始まります。
研修は新人看護師に必要な基本的な知識・技術・態度を学びます。後半は受け持ち看護師として一人の患者さんの入院から退院までを指導を受けながら看護過程の展開を行います。これは各配属病棟での演習になります。その他、多重課題対応研修や感染防止研修など多くの知識・技術を学ぶ機会があります。
受け持ち看護師育成コース
受け持ち看護師としての役割と責任を理解し、自立して役割行動がとれることを目的として研修を行っています。講義では、病院の理念、看護の基本方針の再確認を通して受け持ち看護師の役割・看護倫理についても再学習を行います。そして、自部署において実際の演習を通して受け持ち看護師の役割を学びそのプロセスをレポートします。その他、ポートフォリオを活用しての自己の目標設定をして、定期的に自己評価と他者評価を行い目標が達成できるよう支援します。
コースでの研修内容
- ・看護過程の展開
- ・皮膚・排泄ケア(褥瘡予防ケア・スキンテア)
- ・がん看護
- ・認知機能が低下している患者の看護
- ・急変時対応
- ・糖尿病看護
受け持ち看護師実践コース
受け持ち看護師としての実践を事例にまとめグループで自分が行った看護を言葉で表現できる機会にしています。本研修を通して看護を実践する上で自分の大事にしている看護観の深まりに繋がることを目指しています。
チームリーダーベーシックコースⅠ・Ⅱ
ベーシックコースⅠは、初めてリーダーになる看護師を対象としたコースで、リーダーの資質や役割について講義を通して理解し、自部署にて演習を行います。ベーシックコースⅡは、ベーシックコースⅠ終了者の研修で、実際にチームリーダーとしての役割を担っている中で、自己の課題を明確にして、解決への取り組みを行います。
チームリーダーアドバンストコース
ラダーレベルⅣ相当の看護師を対象に、まず、問題解決技法についての講義を行い知識の上での理解をします。次に自部署における問題を一つ取り上げ、問題解決プロセスに沿って分析・解決策の実施・評価と取り組みその成果を発表します。この研修では問題解決のプロセスをしっかりと学びます。
【スキルアップコース】
下記のスキルアップコースを実施しています。研修はスペシャリストである専門看護師・認定看護師が担当し開催しています。
- 1.がん看護
- 2.がん化学療法
- 3.糖尿病看護
- 4.認知症看護
- 5.摂食・嚥下ケア
- 6.慢性心不全看護
- 7.精神看護
- 8.放射線看護
- 9.集中ケア
【臨床実践能力育成研修】
1.新人看護師支援者育成コース
新人看護師が患者に安全なケアを提供できるように支援する新人支援者の育成研修を行います。研修は導入講義、実施指導の中間評価、最終評価の3期から構成されています。
具体的な研修内容
- ・新人看護師支援者の役割について
- ・プリセプター・メンターなどの支援方法
- ・成人学習の特徴と教育方法
- ・メンタルサポート
- ・実地指導の評価
2.上級実践選択コース
各部署で必要とされる上級専門分野の看護実践能力を促進することを目的とした研修です。
- 1. 呼吸ケア(中級編、上級編)
- 2. EOL(エンド オブ ライフ)
【看護助手研修】
医療チームの一員として自己の役割を認識し、看護師と協働することができるよう研修を行います。
また、療養上の世話に必要な技術について、e-ラーニングとOJTにて実践を支援します。
中途採用者研修の目的
中途入職された看護師の皆さんが、スムーズに職場環境に慣れ、今までの経験を生かして、更に臨床実践能力を発揮できるように支援します。
採用時オリエンテーション
看護部長より当院の基本方針や看護部の概要について、また、看護師長から院内教育、医療安全、感染管理、看護記録、看護部概要、服務心得についてのオリエンテーションを1日かけて行っています。また、入職後2カ月経過した頃に「ジェネラリスト看護実践能力」の自己・他者評価を行い、そのうえで目標を一緒に考え立案し共有していきます。
配属部署での支援
配属部署では、支援を担当する看護師が中心となり看護業務のオリエンテーションやシャドーイングを通し、少しでもスムーズに職場適応できるよう支援を致します。また、戸惑うことや困っていることについても丁寧に対応し、一緒に考え解決できるよう支援致します。
フォローアップ研修
入職後2~3か月目に実施します。他部署に中途入職された看護師の皆さんとディスカッションを通して交流を図ることを目的としています。ディスカッションでは、各部署で看護業務を遂行する中での戸惑いや悩み・困っていることなどを自由に語って頂くことでストレスを開放し、その中から問題解決の糸口をみいだしていけるよう支援します。
主任看護師フォローアップ研修
昇任した主任看護師は4病院合同の任用時研修を受講します。その後、配属部署において主任看護師として役割の遂行を目指します。
フォローアップ研修では、日々活動する中での活動報告と主任看護師の役割遂行で悩んでいること、上手くいっていること等についてディスカッショを通して情報共有することで自身の課題が明確になり、主任としての役割の再確認ができることを目指しています。
eラーニングシステムの導入
平成29年度よりエルゼビア社が提供する「ナーシング・スキル日本版」を導入しています。
標準かつ最新の看護技術を学ぶことができるので、研修における事前学習やOJTにおいても自由に個々でアクセスすることで学びを深めることができます。